【研究発表】藤沢発の新種ブドウ『メイヴ』、世界唯一の品種であることがゲノム解析で判明
OIST(沖縄科学技術大学院大学)が最新研究成果を公表|2025年3月26日
2019年に神奈川県藤沢市で発見された新種のブドウ『メイヴ(Maeve)』が、2025年3月26日、沖縄科学技術大学院大学によるゲノム解析によって、世界でも未確認の品種であることが明らかになりました。
OISTでのゲノム解析が示した『メイヴ』のルーツ
今回のゲノム研究では、『メイヴ』の遺伝的なルーツと特性の根拠が明らかになりました。
親品種の判明:
- 片親は北米原産の「リバリア・グロワール(Vitis riparia Gloire)」
└ 病気や害虫への耐性が高く、主に台木(接ぎ木の根元)として利用されている品種 - もう片親は、ヨーロッパ系品種であるソーヴィニヨン系
└ 高品質ワインの主要品種
この組み合わせにより、『メイヴ』はワイン用としての芳醇な香りと味わい、加えて強靭な栽培特性を併せ持つ、まさに“いいとこ取り”の奇跡的なハイブリッドであることがわかりました。
次なる研究ステージは岡山大学大学院へ
ヨーロッパ系ブドウの解析を加速、メイヴの全貌解明へ
今回のOISTによるゲノム解析を受け、今後の研究は岡山大学大学院にて引き継がれることが決定しました。岡山大学大学院はブドウ栽培・遺伝学の研究において国内外から高い評価を受けており、今回のプロジェクトでも中心的な役割を担います。
特に注目されるのは、メイヴのもう一方の親品種とされる「ヨーロッパ系ブドウ」の詳細解析。ソーヴィニヨンを含む数多くの高級ワイン品種と比較し、メイヴの香りや味わい、果実構造に関する遺伝的特徴を深く掘り下げる予定です。